地域特有の風習を解説！

日本全国、どこでも「地域の行事」がそれぞれ存在しますよね。
地域清掃などの小さな行事から、何万人も観光客が押し寄せる祭りのような大きな行事まで。
あなたもこれまで一つや二つは関わってきた経験があるのではないでしょうか？
地域行事は、ビジネスのような損得を抜きに、「地域の人たちの連体感」を生み出すのに大切な役割を担っていますよね。
ただ、誰もが仕事や家族を持ちながらの参加になるので、「なかなか全ての地域行事に参加するのは難しい」というのが全国各地での実情のようです。
特に、その土地に引っ越して来た「移住者」にとっては、どの行事に参加すればいいのかということは、必ずと言っていいほど悩みの種になっています。
そこで、今回は「これだけは出るべし！参加した方が良い地域行事に沖縄移住５年が優先順位を付けました」と題して、移住者が感じる沖縄の地域行事の実情を紹介します。
東京から家族5人(夫婦と子供3人)で、沖縄本島から西に100kmの「久米島」という離島に移住した筆者の例です。

まず、優先順位1位として紹介したい行事が「スーンジ」です。
スーンジとは「そうじ(掃除)」、つまり各地域での清掃作業のことです。
スーンジに出た方が良い理由はもちろん、「自分がお世話になっている場所を綺麗に保つためだから」です。
自分の家や部屋の中を掃除することと全く同じですね。
私が住んでいる久米島の場合は、スーンジは「集落内清掃」と「集落外清掃」の2種類があります。
集落内清掃は、自分たちの集落の街路樹の剪定が中心で、空き家の庭の手入れをみんなですることもあります。
集落外清掃は、集落と集落の境界線部分あたりの川沿いの除草作業をすることが多いです。
草刈機を持って刈り取る人、熊手でそれを集める人、大型トラックでそれを焼却場まで運ぶ人などに分かれて作業しています。
主にそれらの作業は男性が担い、女性は公民館の清掃とお昼の「沖縄そば」の準備、年配の方は神社の清掃をしています。
私は移住して5年目になりますが、今でも「この行事は移住者も歓迎なのかな？」と参加するべきか戸惑う行事も多いです。
しかし、この「スーンジ」だけは移住して1年目から欠かさず全て参加しています。
うちの集落の場合、地元育ち・移住者を問わず20〜30代の参加が意外と少ないのが実情です。
そのせいもあってか、「あんたはいつも(スーンジに)参加してて偉い」と言ってもらえることがしばしばあります。
地域の一員として認めてもらうためにも、数ある地域行事の中でも「スーンジ」だけは欠かさず参加するのをおすすめします。

次に第2位として紹介するのは、「エイサー」です。
毎年、お盆の時期に「三線(沖縄の三味線)」と「太鼓」の演奏に合わせて踊る、伝統芸能です。
東京などの大都市でも沖縄出身者を中心に催されることも多くなった、最も有名な沖縄の伝統行事として知られています。
お盆と言っても、沖縄の行事は「旧暦」が中心なので、開催日は8月下旬から9月上旬くらいです。
沖縄のお盆は、1日目が「ウンケー」、2日目が「ナカヌヒ」、3日目が「ウークイ」と呼ばれ、その3日間のいづれかの夜にエイサーが開催されることが多いです。
私の住んでいる久米島では、「ナカヌヒ」に開催される集落が多く、「ウークイ」の開催のところもあります。
このエイサーの日のために、どの集落も2〜3週間前から夜に公民館などに集まって練習を始めます。熱心なところでは、1ヶ月以上も前から毎日のように練習をするところもあります。
私は仕事の関係で夜に動けないため参加できていないのですが、私の子どもたちは夕方に「子どもエイサー」に参加してきました。
練習の後には大人たちが「かき氷」を用意してくれたり、和気あいあいとした雰囲気でエイサー本番の日に向かっていきます。
「エイサー」の前後の期間は何かと準備も多いので、できる範囲で準備に参加するのをおすすめします。

最後に、優先順位の第3位として「ハーリー」を紹介します。
ハーリーとは、「チームを組んで手漕ぎボートで競争をするイベント」と思ってもらうと、分かりやすいです。
「爬竜船(はりゅうせん)」と呼ばれる船に10〜20人くらいで乗り込んで、3チームくらいでスピード競争をします。
もちろん、ただのスポーツではなく、「海の安全」や「大漁」を祈願する伝統行事です。
このハーリーのチームは、「地域」や「学校・クラス」「PTA」に加えて「職域」と言って会社・事業所チームで参加することもできます。
私は、移住1年目にただ見物に行ったのですが、子どもの学校の担任の先生に誘われて、ぶっつけ本番で初参加しました。
乗り込んだ人みんなで「はいっ！はいっ！」と声をあげながら全力でオールを漕いで、ずぶ濡れになった楽しさは忘れられません。
そのおかげで、一気に距離が縮まった人もたくさん居ました。
誰でも参加しやすい、明るく楽しい地域行事なので、「ハーリー」にはぜひとも参加してみてください。
開催日は、旧暦の5月4日(ユッカヌヒー)です。

「これだけは出るべし！参加した方が良い沖縄の地域行事」として優先順位をつけるなら、
・スーンジ
・エイサー
・ハーリー
これら3つはぜひ参加すると良いですよ。
沖縄移住5年目の経験からおすすめします。